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Blue禅「民〜!」のルーツはTommyにあり



2004年4月10日(土)

大久保HOT SHOTにおける「The Who vs The Who」
というイベントでTommyをプレイしました。

ロックオペラTommy、
これは20世紀最高の作品だと信じています。
実は、幼児虐待を受けていた孤高の天才の、
心の叫びだったのですね。

幼少時、実の祖母から性的虐待を受けていた
作者Pete Townshed。
彼の心の傷は、無限の創造力(Amazing Journey)によって、
真実へ、普遍へとつながり、
魂を震わせる作品「Tommy」を生みだしたのです。

この作品を愛する拙者サムライTomサムは、
Peteの虐待体験と曲との関わりに思いを馳せ、
拙者のオリジナルバンドBlue禅ファンの方々にもわかるようにと、
語り入りTommyをご披露致しました。

拙者は激マジで誠のロックを探しております。





写真提供:持木大助氏
1.Tommy誕生〜苦悩へ

Tommyの実父キャプテン・ウォーカーは、戦闘機のパイロット。そして、彼が戦地で行方不明となっている時、Tommyはこの世に生を受けたのだ。

Tommyは生まれた時から一人。
その後、母親と義父に育てられるが、
彼らの秘密を見てしまったTommy。

秘密とは何か?

映画のTommyでは、死んだと思っていた実父キャプテン・ウォーカーが帰ってきて、再婚していた母と義父が、実父ウォーカーを殺してしまう。
それを見てしまったTommy。

両親はTommyに言う。
「お前は聞いてない!見ていない!絶対に話してはいけない!」

Tommyの目は見えず、口は聞けず、耳は聞こえなくなってしまった。



2.創造力の旅〜スパークス!

心を閉ざして三重苦となったTommyは、創造力の世界だけで生きていた。

「素晴らしき創造力の旅に出よう!
君が知るべき全てのことはそこにあるんだ。」

Tommyは歌います。そう、汚い現実世界はニセモノ。
創造力の世界こそが真実なのです。
空想し、自分の心の世界を無限に楽しんでこそ、
この世に生まれてきた甲斐があるというもの。

作者のPeteは、音楽の世界に無限の創造力を羽ばたかせました。

そして、Tommyの創造力は、スパークして燃え上がったのです。



3.Tommyはスターに〜心の壁を打ち破れ!

心に受けたトラウマから、目が見えず、口がきけず、
耳が聞こえなくなったTommy。
しかし、昔ゲームセンターに置いてあったPinballで
超人的な力を発揮し、チャンピオンになり、スターになるのです。

しかしTommyの三重苦は治らなかった。
なぜなら、心の病気だから。
Tommyの父(実父なのか?義父なのか?)は、医者にみせにいきます。
医者が色々なテストをした結果、目は見え、口もきけ、
耳も聞こえることがわかります。

しかし、「Inner Block」=心の壁

を打ち壊さなければTommyは治りません。



写真提供:鎌田さん
4.自由になったTommy〜信者を集めて心の復讐

Tommyは自分が映っている鏡を叩き壊しました。
心の壁は破壊され、病気は治り、Tommyは自由を手に入れたのです。

Tommyには鏡のモチーフが多くでてきます。作者のPeteは、
実の祖母に性的虐待を受けるというおぞましい体験を持っています。
虐待を受けたトラウマを持つ人(俺もある種そうだが)は、
自分を破壊し自傷行為をする傾向にあります。
それは、おぞましい記憶を消したいから。
しかしPeteは、自傷行為の代わりに、その鬱憤を外に吐き出し、
鏡を壊して、破壊の魔人の如きギタリストとなったのです。

自由を手に入れ、奇跡をおこしたTommyは、
救世主を気取って信者を集めます。
そして、Holiday Campに信者を集め、かつての自分と同じように、
目と耳と口をふさいだ状態にしてPinballをさせます。
これは心の復讐。「ざまあみろ信者ども!」

信者たちは言いました。「もうたくさんだ!」
「ぶち壊せ!レイプしろ!」

なぜ、反乱した信者たちの言葉で「レイプ」が出てくるのでしょう?
Peteのトラウマが出ているような気がします。

全ては破壊されました‥‥



5.開かれた歌

終わりははじまり、はじまりは終わり

全ては破壊されました。Tommyは心の声に戻ります。


See me
Feel me
Touch me
Heal me...


そして、心は解き放たれ、人々に呼びかけるように、
音楽と自由への賛歌がリフレインされます。

Tommyが、ベトナム戦争時代のアメリカ人の心をどれだけ救ったことか。
ロックオペラTommyに、はっきりした結論がある訳ではありません。
しかし、人それぞれの心に染みこみ、心の痛みを持つ者ほど、
深く魂を震わせる作品‥‥

Pete Townshendとは、なんと天才であることか!

拙者は悲しいかな天才ではないのですが、
憧れの天才に少しでも近づきたい気持ちになるのは無理もないところです。



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